絵の具の種類一覧!特徴やアクリル・水彩・油絵の違いを解説

絵の具の種類一覧!特徴やアクリル・水彩・油絵の違いを解説

制作を始める際、描きたい絵・表現したいデザインによって、適した絵の具が変わります。しかし、いざ始めようにも「絵の具の種類が多くて選べない」「絵の具の特徴や使い分けを知りたい」など、画材選びに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、絵の具の種類や特徴、使い方、選び方を解説します。絵の具選びは直感ではなく、表したい質感や目的(描きたい絵のイメージ)で決まります。初心者から本格派まで、ぜひこの記事を参考に、自分に適した絵の具を見つけてください。

絵の具の種類と特徴

絵の具の種類は主に「アクリル絵の具」「水彩絵の具」「油絵の具」の3つに分類されます。それぞれの基本的な特徴は以下の通りです。

絵の具の種類 特徴
アクリル絵の具 ・水で薄められ、乾燥後は耐水性になる
・速乾性で扱いやすく、初心者にも向いている
・紙・キャンバス・布など幅広い素材に対応
水彩絵の具 ・水で溶き、透明感やにじみを表現しやすい
・乾いても水で再溶解できる可逆性がある
・軽量でコンパクト、手軽に始められる
油絵の具 ・乾燥が遅く、深みのある色味と重厚な質感を表現できる
・油(乾性油)で溶いて使用する
・本格的な絵画制作に向いているが管理に手間がかかる

ここでは、それぞれの絵の具の特徴を詳しく紹介していきます。

アクリル絵の具:速乾かつ水に強い塗料で扱いやすい

アクリル絵の具は水で薄めて使える水性塗料で、乾燥が非常に速く、数分〜数十分で乾燥するものもあります。乾燥すると耐水性に変化するため、重ね塗りをしても下の層が溶け出さないのが特徴です。

表現の幅 ・鮮やかな発色で色彩豊かな表現が可能
・重ね塗り/厚塗り/にじみ表現など仕上がりのバリエーションが豊富
対応素材 紙/キャンバス/木材/布/プラスチックなど幅広い素材に描ける
メリット 扱いやすい
デメリット 乾燥が早く時間をかけた作業には向かない
使い方のコツ ・パレットの管理を徹底し絵の具の乾燥を防ぐ
・使用後はすぐに筆を洗う
・メディウムを活用して質感や乾燥時間を調整する

扱いやすさと表現の幅広さを兼ね備えたアクリル絵の具は、初心者から上級者まで幅広く使われている画材です。

水彩絵の具:透明感とにじみを表現しやすい

水彩絵の具は水で溶いて使う塗料で、乾燥した後でも再び水で溶かして、薄く伸ばすことができます。パレットの上で固まった水彩絵の具も、水を含ませることで再び使用できるようになるので、チューブから出したままパレット上で保存できるという強みもあります。

表現の幅 ・透明感/にじみ/ぼかし/重ね塗り(グレーズ)などの技法が使える
・水の量で表現や色合いが大きく変化する
対応素材 ・水彩紙は細目/中目/荒目など種類によって発色が変わる
・筆と水の量のバランスが仕上がりを左右する
メリット 道具がコンパクトで始めやすい
デメリット 色を塗り直すと下の色と混ざりやすく、修正が難しい
上達のコツ ・水加減のコントロールを意識する
・乾燥時間を見極める
・失敗と捉えず作品を活かす

「透明感」「にじみ」など水彩絵の具ならではの表現を活かすには、水加減のコントロールが上達の鍵です。最初は薄く淡く塗り、少しずつ変化を重ねていくのがコツです。

油絵の具:乾燥が遅く深い色味や厚みを表現しやすい

油絵の具は乾燥が遅く粘りが強い画材で、制作時は「乾性油」と呼ばれるオイルと混ぜて、キャンバスに乗せるように描く感覚で使用します。油が酸化することでゆっくりと乾燥していくため、制作中に色を混ぜたり調整したりしながら描ける点が特徴です。

表現の幅 ・鮮やかな発色で色彩豊かな表現が可能
・重ね塗り/厚塗り(盛り上げ)/にじみ表現など仕上がりのバリエーションが豊富
対応素材 紙/キャンバス/木材/布/プラスチックなど幅広い素材
メリット 乾燥が遅いため長時間かけてじっくり描ける
デメリット 乾燥時間やニオイ、管理に手間がかかる
制作時のポイント ・下塗り(インプリマトゥーラ)で発色と耐久性を高める
・リーン(油分が少ない状態)/ファット(油分が多い状態)/オーバー(リーン層の上にファット層を重ねる)を意識するとひび割れを防げる

キャンバスに描く際は、筆やナイフを使用します。制作では絵の具を薄めるテレピン油と、乾燥を促してツヤを出すリンシード油を用途に応じて使い分けましょう。

アクリル絵の具の使い方

アクリル絵の具は水で薄めて使える水性塗料で、乾燥後は耐水性になる扱いやすい画材です。速乾性という特性を正しく理解することで、失敗を減らしながら表現の幅を広げることができます。

ここでは実際の制作で役立つ、基本的な使い方のポイントを紹介します。

水で薄めて乾く前に素早く描く

アクリル絵の具は水の量によって発色や透け感が変わり、水が多いほど淡く透明感のある仕上がりになります。乾燥は数分〜数十分と早いため、スピード感を意識しながら描き進めましょう。

また、広い面を塗る際は、ムラが出ないよう素早く塗り広げることが大切です。乾燥前であれば水で拭き取ったり混ぜたりして修正できます。

乾いた場所に上から塗り重ねる「レイヤー構築」を意識する

アクリル絵の具は乾燥後に耐水性になるため、上から塗り重ねても下の層が溶け出しません。薄塗りから始めて濃色を順に重ねていく、レイヤー(絵の具を重ねてできる層)構築が基本の画材です。特性を活かして色を重ねることによって立体感や奥行きを表現できます。

アクリル絵の具に水を少し多めに含ませて塗り重ねると、先に塗った色が淡く表れて色が重なり合います。

逆に水の量を減らして塗り重ねると、下側の絵の具が目立たなくなり、絵の具の質感もマット(ツヤなし)になります。

失敗した箇所も乾燥後に上から塗り重ねることで、カバーが可能です。


アクリル絵の具を扱う際は、毛先の「命毛」がしなやかな描き心地のものがおすすめです。スタールビー モップ 9000 シリーズは、モップ筆で課題だった「抜け毛」を改善しています。小さい筆は小回りとコシ、大きい筆は広がりすぎない柔らかさで、ブレンドも筋が入りにくく美しく仕上がるので、ぜひチェックしてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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メディウムを混ぜて質感を変える

メディウムとは、絵の具に混ぜて仕上がりや質感を調整するための補助剤です。メディウムには多くの種類があり、混ぜるものによって効果が異なります。例えば、下記の写真のように、穏やかな波を表現する際は、「ジェルメディウム」を使用することで、筆が通った線を浮き出すことができます。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

リキテックス ジェルメディウム 50ml

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グロスメディウムを混ぜるとツヤのある光沢仕上げになり、マットメディウムを使うと反射を抑えた落ち着いた仕上がりになります。厚みのある表現をしたいときはジェルメディウムを加えると絵の具の粘度が高くなり、盛り上げた形を保ちやすくなります。

水彩絵の具の使い方

水彩絵の具は水で溶いて使い、乾いても再び水で溶かせる扱いやすい画材です。透明感やにじみといった水彩ならではの表現を活かすには、水加減のコントロールが重要になります。

ここでは基本的な使い方のポイントを紹介します。


水の量を調整して発色を決める

水分量が多いほど色は淡くなり、透明感のある仕上がりになります。反対に、水が少ないほど濃くはっきりとした発色になります。パレットでは、絵の具を水でよく溶いてから筆に取り、含む水の量を調整するのが基本です。

筆に含む水の量で仕上がりが大きく変わるため、細かく調整しながら描き進めましょう。本番前に試し塗りをして色味を確認しておくことで、意図した発色に近づけやすくなります。

※紙によって滲みやぼかし具合が変わりますので、試し描きをおすすめします。

にじみとぼかしを活かして描く

紙が湿っている状態で色を乗せるウェット・イン・ウェットという技法を使うと、色が自然ににじんで柔らかな表現になります。乾いた紙に描く場合は輪郭がはっきり出るため、同じ色でも仕上がりの印象が変わります。

にじみの広がりは水の量で調整できるため、水加減を意識しながら描き進めるのがポイントです。

境界線をぼかしたいときは、水だけを含ませた筆でなぞると色の境目が自然に溶け込みます。

明るい色から順に塗り進める

水彩絵の具は白を足して明るくすることができないため、どこを明るく残すかを最初に決めておく必要があります。ハイライト部分は塗らずに紙の白さをそのまま活かすのが、基本的な塗り方です。

薄い色から濃い色へと順に重ねていくと、透明感を保ちながら色に深みが出ます。いきなり濃く塗らず、段階的に色を重ねることで修正の手間も減らせるため、順番を意識しながら描き進めましょう。

油絵の具の使い方

油絵の具は乾性油で溶いて使う画材で、乾燥がゆっくり進むため、深みのある色味や重厚な質感を表現できます。扱いに慣れるまで時間はかかりますが、基本的な塗り方を押さえることで制作がスムーズになる点が特徴です。

ここでは油絵の具を使う上で知っておきたいポイントを紹介します。

 

乾燥を待ちながら時間をかけて描く

油絵の具は空気中の酸素と油が反応する酸化重合という仕組みでゆっくりと乾燥します。表面が触れる程度に乾く表面乾燥と、内部まで固まる完全乾燥は異なり、表面が乾いていても中はまだ柔らかい状態が続きます。

乾燥待ちの間は、ホコリや直射日光を避けて保管しましょう。乾燥の遅さを活かして、キャンバス上で色を混ぜ合わせてグラデーションを作るブレンディング技法が使えます。

薄塗りから始めて厚塗りを行う

制作の最初にインプリマトゥーラと呼ばれる下塗りを行うことで、キャンバスの目を整えて発色を安定させる役割があります。最初の層は溶剤多め・油分少なめのリーン層として描き始め、徐々に絵の具の量を増やしながら厚塗りへと移行します。

仕上げの段階では絵の具をたっぷり乗せるインパストと呼ばれる厚塗り技法で、立体感や筆致を強調できるのが特徴です。

油分量に注意してひび割れを防ぐ

油絵のひび割れを防ぐ基本ルールがファット・オーバー・リーンです。下層ほど油を少なく、上層ほど油を多くするのが原則で、層ごとに少しずつ油分を増やしていきます。

急激に油の量を増やすと下層との収縮率に差が生じ、ひび割れの原因になるため、注意しましょう。

【目的別】おすすめの絵の具の選び方

絵の具はどれが良いと一概に決められるものではなく、描く人の経験や目的、制作環境によって最適な絵の具の種類が変わります。ここでは目的別におすすめの絵の具を紹介します。

子どもや初心者は安全性と扱いやすさ重視

子どもや絵を始めたばかりの方には、水性・無毒タイプの絵の具が安心です。水で洗い流せるタイプなら、後片付けも楽になります。最初はセット商品を選ぶと必要な道具が一通り揃い、気軽に始められます。

HWC透明水彩絵具5ml 12色セット W401

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W&N プロフェッショナル・ウォーターカラー 5mlチューブ 12色セット

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イラスト目的は発色と乾燥時間をチェック

イラスト制作は色の鮮やかさが仕上がりを大きく左右します。乾燥が早い絵の具を選ぶと作業効率が上がり、テンポよく描き進められます。使用する紙との相性も仕上がりに影響するため、あわせて確認しておくと安心です。

アメリカーナアクリルペイント(59ml(2oz))

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アムステルダム 20ml12色セット

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本格的に描きたい人は表現したい作風から選ぶ

写実的な表現を目指すのか、抽象的な作風にするのかによって適した絵の具は変わります。絵の具だけでなく、道具や制作環境も含めて総合的に検討することが大切です。長期的に使い続けることを考え、品質を重視して選びましょう。

絵の具を選ぶときの注意点

絵の具を選ぶ際は種類や価格だけでなく、使用する素材との相性や作業環境など周辺条件も合わせて確認することが大切です。ここでは購入前に押さえておきたい注意点を紹介します。

使用する紙・キャンバスとの相性を確認する

絵の具の種類によって、合う紙やキャンバスが異なります。水彩絵の具には水彩紙、油絵の具にはキャンバスが基本です。相性が合わないと発色や耐久性が落ちることがあるため、事前に確認しておきましょう。

乾燥時間・におい・後片付けの手間も考慮する

乾燥時間や溶剤のにおいは作業時間や作業場所に直接影響します。自宅で使えるかどうかも重要な判断軸になるため、作業環境に合った絵の具を選ぶことが大切です。

 

価格だけで選ばず継続しやすさを重視する

高価な絵の具が必ずしも自分に合うとは限りません。無理なく使い続けられることが上達への近道になるため、継続しやすさを重視して選びましょう。

 

描きたい絵・挑戦したい表現に合わせて絵の具を選ぼう

絵の具選びに正解はなく、目的・レベル・環境に合ったものが最適な選択です。速乾性と汎用性の高いアクリル絵の具、透明感とにじみが美しい水彩絵の具、深みと重厚感のある油絵の具と、それぞれに異なる魅力があります。

まずは扱いやすい種類から始めて、慣れてきたら少しずつ別の絵の具にも挑戦してみましょう。使う画材が広がるほど、表現できる世界も広がっていきます。